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院長よりご挨拶

写真 私たちに出来ること、それは決して大それたことではありません。

 私たちは治療として特別なものを用意しているわけではなく、また、お出しするお薬も標準的な内容です。ただ、次のことは申し上げることができます。

 私たちが大切にしている第一のことは、一生懸命に人と向かい合うことです。
 症状ならば軽減することができるでしょう。身に付いた手当てならば直ちに実行致します。ただ、その人が抱えている苦悩を私たちがすっかり肩代わりすることはできません。しかし、悩み苦しむ人を一人にしてはおけない。私たちは、目の前のお一人お一人と向かい合い、その言葉に耳を傾けたいと思っています。それこそが医療の原点だからです。

 私たちが大切にしている第二のことは、人は環境に生きるという視点を持ち続けることです。
 脳と心が行動へと密接に結び付くように、行動は生活のあり様にしっかりと根を下ろしています。心理的な治療に携わるということは、ご本人の生活やご家族、家庭環境にも眼差しを向けることに他なりません。私たちは、できるだけその方の暮らしに関わらせていただきます。

 私たちが大切にしている第三のことは、人が成長する可能性を信じることです。
 他人を信じ続けることは、案外、しんどいものです。じれったくなることもあるし、裏切られることもあります。その一方で、「このピンチを切り抜けたら、この人は必ず変われる」という手応えを感じる場面があります。そういう時にこそ、少しずつの変化を静かに待ち続けたい。多分、これが私たちの仕事の大部分なのかもしれません。

 私たち一人ひとりが、真剣に津軽の精神科医療に取り組みます。どうか、宜しくお願い申し上げます。


津軽保健生活協同組合 藤代健生病院
院長 関谷 修

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